最初ウルソ服用のきっかけは2017年4月に受けたbirthday検診でGPT,ALPの数値上昇があったためでした。エコーでは肝臓に特にこれといった異常所見は無く、まずは内服を一ヶ月使用して経過を見てみる事になりました。
その3ヶ月後にはダルそうにしていることが多く、散歩中の疲れが顕著に見られたことから甲状腺の検査をすることになります。
元々治療に対して一生懸命で、家での様子にもよく気を配っている飼い主様なので、このくらいの時期から薬や治療、本犬の状態に関して敏感になっているような様子でした。
ウルソの服用を始めてから、最初の1ヶ月こそ数値の大きな変化はみられなかったものの、その後の検査では肝酵素は基準値におさまり、その数値も安定がみられたため2017年7月の処方にて飲みきり終了をし、次回の再診時に再検査という形を取りました。
しかし、1ヶ月後の再検査で再び肝酵素の上昇が見られ、しかし、1ヶ月後の再検査で再び肝酵素の上昇が見られました。ウルソ内服を検討する際に飼い主様にお話を聞くことにしました。
飼い主様としては飲ませる薬が少ないのであればそれに越したことはないとのことでしたが、話をよく聞くと、薬を飲ませることで「病気」というものを強く認識するため、精神的につらいというような気持ちを聞くことができました。
甲状腺の内服もしていて、治療に対して一生懸命になっていらっしゃる飼い主様だからこそ出た言葉なのかもしれません。
そこで今回はウルソの服用を見送り、本犬の自然治癒力に任せるため、食事面に気を付けて経過を見ることにしました。食事量と栄養面を充実させるために、サミーフィッシュのモニターになってもらいました。モニター開始後から毎食完食が続き、飼い主様によると食べることに積極的になった様子でした。1か月経ち、検査したところ数値に変動はありませんでしたが、2ヶ月後の検査では若干の数値下降が見られました。
この頃から飼い主様が日常のことや内服、治療に関して神経質にいろいろなことを質問してくるということが少しずつ減っていったような気がします。
その後、3回目のモニター検査では肝酵素は全て正常値に。
飼い主様は、フードにサミーフィッシュをふりかけるだけで食いつきが全く違うことを大変喜んでいました。犬自身も食事に興味を持ち、喜んで完食することで栄養面と精神面で支えられたのだろうという飼い主様の感想を聞きました。
その後、4回目のモニター検査では若干の数値上昇があったものの、上昇した数値はGPTのみで全体的な数値の安定がみられました。
その後もウルソは服用していませんが、肝酵素の数値も大幅な上昇はなく、良い状態を保っていることが確認出来ています。
飼い主様としてはウルソを内服しなくてもある程度数値を安定させることができ、ウルソの服用がなくても経過を見ていける状態にまで持って行けたことに大変満足していたようでした。