【第2回】ペットロスのこと知っておきたい

ペットロスのこと知っておきたい
第2回:愛する家族を亡くした悲しみ

家族の一員であり伴侶でもある愛犬・愛猫を失った悲しみの深さは、計り知れないものです。このとき、無理に元気になろうとする必要はありません。悲しみも人それぞれなら悲しみが癒えるまでの過程や時間も本当に人それぞれです。今回は実際に愛犬・愛猫を失くした体験と、悲しみを癒すと考えられる手立てをいつくかご紹介します。ご参考になれば幸いです。

愛犬・愛猫を失った実体験

後悔、そして受け入れられない死。悲しみに包まれる日から、少しずつ年月をかけて回復していった2つの実体験をご紹介します。

 

17歳の愛犬を亡くした最期の後悔
これは筆者の犬、クッキーの話です。クッキーはクリーム色をした、中型の雑種の女の子。生後4ヶ月で公園に捨てられ、一人ぼっちで遊んでいたところを保護しました。クッキーは丈夫で、ずっと病気知らずでした。しかし17歳になったとたん足腰が弱り始め、ついには寝たきりになってしまったのです。

寝返り、食事、トイレの世話と必死で介護しました。名前を呼んだり、マッサージしたりするとパタパタとしっぽを振ってくれるのが、とてもうれしかったことを覚えています。しかし好きなフードを平らげてほっとしていた翌日のことでした。ふとクッキーを見ると、息をしていませんでした。17年も一緒にいて、永遠の旅立ちの瞬間を見送ってあげられなかったことが悔やまれて仕方ありませんでした。

以来、心にぽっかり穴が開いたようになりました。見送ってあげられなかったことに加え、介護中に自分では精一杯やっていたつもりでも、どこかやさしさが足りなかったのではという後悔が次から次へと押し寄せてくるのです。

不思議なことに日が経っていくと、今度は楽しかった思い出がよみがえってきて、また違う切なさが沸き上がってきます。

今は骨壺に入ったクッキーと一緒に暮らし、命日にはFacebookに思いを投稿することで気持ちを落ち着かせています。そして「今飼っている猫を大切にする」という思いと、「クッキーのことは絶対に忘れない」という気持ち、そして「自分自身が精一杯生きること」をクッキーに誓って日々を過ごしています。
  

愛猫をなくしたおばあさんの話
猫の名前はベラ。ベラはおばあさんのことがとにかく大好きで、いつもついてまわっていました。夜は一緒の布団に入り、おばあさんが寝付いたのを確認するとそっと布団を出ます。そしておばあさんが咳込むと慌てて駆け寄り、口の中に手を入れて咳を抑え込もうとします。日頃からベラがおばあさんを思い、心配していることがよくわかりました。

しかしいつかはやってくる別れ。20歳という長寿猫でしたが、おばあさんがベラを失った悲しみは大変なものでした。火葬する気になれず、ベラを庭に埋めて小さなお墓を作りました。おばあさんはベラのことを思い出しては、泣いて暮らす日々。周囲の「そんなに泣いていたら、あの子も成仏できない」という言葉が、ますますおばあさんを傷つけました。

「あの子にもう一度会いたい」

おばあさんは、とうとう庭のお墓を掘り返してしまいます。幸い腐敗は進んでおらず、ベラはまだきれいなままでした。おばあさんはベラのなきがらを抱きしめ、何度も名前を呼びました。ベラにそっくりな陶器の人形を探してきてお墓に供えると、なぜかその後は少しずつ元気を取り戻していきました。

おばあさんは現在認知症が進み、幸か不幸かベラを亡くした悲しみは忘れてしまったようです。しかしベラのことはよく覚えていて「ベラは賢くてかわいかった」が口癖です。

悲しみを癒す手立て①「思い出作り」

「思い出すと涙が出る」「写真を見るのもつらい」という気持ちが少し落ち着いたら、愛犬・愛猫の思い出作りをしてみませんか?
大切なあの子が生きていた証を、文字や形にして残すことは癒しにつながります。

  

💐アルバムを作る

自分と愛犬・愛猫だけのオリジナルアルバムを作ってみましょう。スマートフォンでもパソコンでも、そして一冊のノートでも。画像や写真を貼り付けたり、イラストを描いたり、思い出や気持ちをつづってみましょう。

つらい作業になるかもしれませんが、一緒に過ごした日々がどんなに短くても「あの子は幸せだったな」と少しずつ実感できるようになっていきます。

💐ブログにつづる
ブログに書いて発信することもおすすめです。名前や住所を公開する必要はありません。ブログは非公開にして、自分だけが見られるようにすることもできます。一方、公開すると誰かが読み、気持ちを受け止めてくれることがあります。また病気や介護が大変だった場合は、そのことを綴ることで同じように苦しむ飼い主さんの助けになることがあります。

💐SNSに投稿する
ツイッターやFacebook、Instagramに思い出を投稿する方法もあります。短い文章だけ、または写真だけでも投稿できるので気が楽かもしれません。誰でも読めるようにすることで、見ず知らずの人に共感してもらうこともできますし、読まれたくない場合は読み手を家族や友人に限定することも可能です。

悲しみを癒す手立て②「悲しみを信頼できる人に話す」

同じ経験をしている方、信頼できる方に話すだけでも気持ちがずっと楽になります。「早く立ち直れ」「いつまで泣いているんだ」「私の方がつらかった」という人に、わざわざ話す必要はありません。

💐かかりつけの獣医師に報告を兼ねて話す
診察や治療をした子のことは、獣医師も気になっています。お世話になった獣医師に伝えることも大切です。その際はお手紙を書くか、あらかじめ電話をしたほうがスムーズでしょう。

「いつでも話に来てください」
という姿勢の動物病院をかかりつけにしておくと、亡くなったあとでも相談することができます。こういった動物病院は、口コミや近所の飼い主さんの評判を参考にすると探しやすいでしょう。

💐ペットロスの団体で気持ちを聴いてもらう
愛犬・愛猫を亡くした人たちが集まって、お茶やお菓子をいただきながら悲しみや思い出を共有する集まりを行っている団体があります。出かけるのが大変な方には、電話で話を聞いてくれるところも。

こういった団体の多くは無料です。また「ああしなさい、こうすればいい」というアドバイスをしません。「話を聞く」ことに徹しているので、かなり気が楽ではないでしょうか。また団体によっては、ご自分の悲しみが癒えたら、他の方の悲しみを癒すお手伝いができるところもあります。

悲しみを癒す手立て③絵本を読む


愛犬・愛猫、その他の動物を失って悲嘆にくれている方のために、本がたくさん出版されています。本を読んでいると、自分の気持ちに静かに向き合えるというメリットがあります。しかし文字を追う元気もないときもありますよね。そんなときは、絵本がおすすめです。

絵本というと子ども向けに思えますが、語りかけるような優しい寄り添いは大人もほっとします。絵を眺めているだけでも、気持ちが落ち着いてくると思います。おすすめの絵本を4冊ご紹介します。興味があったら、読んでみてください。

 

★「さよならをいえるまで」マーガレット・ワイルド作・フレヤ・ブラックウッド絵
岩崎書店
少年ハリーの大事な友達だった、犬のジャンピーが突然事故で死んでしまいます。死を受け入れることができないハリー。しかし夢に毎晩ジャンピーが出てくるようになって…
さよならが言えるようになった少年ハリーのおはなしです。

★「くまとやまねこ」湯本 香樹実 作・酒井 駒子 絵
河出書房新社
くまの仲良しだった、ことりが死んでしまいます。くまはことりのなきがらを、お花を敷き詰めた木箱に入れてずっと持ち歩き、仲間の動物たちに見せます。ことりのなきがらを見せられてとまどう仲間たち、そして部屋に閉じこもるくま。しかしくまは、少しずつ明るい光を感じるようになります。

★「ずーっと ずっと だいすきだよ」ハンス・ウィルヘルム作・絵
小学校の国語の教科書にも掲載されたお話なので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。男の子は犬のエルフィーと仲良し。しかし、とうとうエルフィーとの別れがやってきます。男の子はとても悲しかったけれど、なぐさめとなったことがあります。それは毎晩エルフィーに「ある言葉」をかけていたからでした。

★「虹の橋」 葉 祥明 翻訳・絵
亡くなった伴侶動物たちは、天国の手前にある「虹の橋」に行きます。痛みも苦しみもなく元気に走り回り、いつの日か飼い主さんに会えることを待っています。このお話を、葉祥明さんが美しい絵本にしました。「いつか会える」ことを実感できる絵本です。

悲しみを癒す手立て④「葬儀をする」

葬儀をすることは人間の場合と同じく、一つの大きな区切りになります。
さまざまなやり方があるので、次回詳しく紹介いたします。
   
           

まとめ

自分が愛する子を失って悲しんでいるということを自ら認め、そして悲しい気持ちを我慢せずどこかに出すこと、これが大切なことです。まわりに何か言われても、早く立ち直ろうと無理をする必要はありません。悲しみを話す相手は、できれば同じような体験をした、そして静かに話を聞いてくれる人にします。

またアルバムを作ったり、思い出をつづったりすること、本を読んだりすることも小さな癒しになっていくでしょう。

そして葬儀を行うことも、ひとつの区切りとなるはずです。次回は、葬儀についてお伝えします。


参考サイト
獣医師広報版「ペットロス(メモリアルルーム)セミナーイベント情報」
http://www.vets.ne.jp/

◀ 「第1回:ペットロスのこと知っておきたい」はこちら

「第3回:葬儀の形も人それぞれ。愛犬・愛猫を亡くした悲しみを少しでも癒したい」はこちら ▶

 

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