病気の10%は、
ウィルスや細菌によるもの(エイズや結核など)、そのほかの病気、つまり病気の90%に
活性酸素がかかわっています。
病気の原因
動物は、呼吸することによって空気中から酸素を取り入れ、酸素と食べ物で得た栄養を使ってエネルギーを産生しています。
この時、約2%の酸素は使い切れず、強い酸化作用を持つ
「活性酸素」となります。
「活性酸素」は、「物質を酸化させる力が非常に強い酸素」です。
「活性酸素」は呼吸をしている限り、必ず生まれます。
「活性酸素」は、細菌などが体内に入ってきたときにその強い酸化能力で、白血球の武器となり細菌を殺す、からだにとって大切な働きをしています。
しかし、過剰に産生されると、その強い酸化能力で、己のからだを酸化させてしまいます。
- =鉄が錆(さ)びるように、からだが錆(さ)びる=
- よく使われる表現ですが、活性酸素による酸化は、鉄が錆びのようにゆっくり時間をかけてではありません。
瞬間に細胞を変化させてしまう力があります。
例えば「癌(がん)」
細胞の酸化は、天ぷら油を使ってそのまま放置したときにボロボロになっていく様と似ています。
油にも、細胞を取り囲む細胞膜にも、
不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)が含まれています。この
不飽和脂肪酸が酸化し「過酸化脂質」に変わると細胞膜は破壊されます。
細胞膜が破壊された細胞は生きていけません。こうして、病気の元が生まれます。
細胞膜を破壊した
活性酸素が、この細胞の中の核の中にある「DNA」に直接接すると・・・
DNAは細胞から全く同じ新しい細胞をコピーする働きをもつ遺伝子情報元です。
このDNAが狂うと、誤った遺伝情報が次の細胞に伝わり、突然変異の細胞が生まれます。
その1つが、「癌細胞」です。
もちろん、私たちのからだには突然変異した「異なる」細胞を修復したり排除する仕組みがあります。ですが、免疫が低下していたり、癌細胞の数が多すぎたりすると、修復や排除が間に合わなくなってしまいます。
老化の進行や、病気や癌になる確率は、人間では40歳を過ぎると急に高まります。
活性酸素は生まれた時から絶えず生み出されています。そして、この活性酸素を除去する
「抗酸化酵素」も日々細胞のミトコンドリアの中で作り出され、両方がバランスをとっているときには、健康な状態がキープされます。
ところが、この
抗酸化酵素を作り出す力が40歳ころから弱まっていきます。
そして、
活性酸素の細胞への攻撃が顕著に表れてくるのです。
サミー(SAMe)は、この
「抗酸化酵素」の働きをサポートしています。
活性酸素を除去するために、抗酸化作用のある食べ物をとることは有効
代表的なものは……
- みかんなどの柑橘類やブロッコリーなどの野菜に含まれるビタミンC
- カボチャやアーモンドなどのナッツ類に多いビタミンE
- 緑黄色野菜に多いβ-カロテン
- 赤ワインや緑茶、大豆製品やウコンなどに含まれるポリフェノール
- トマトやホウレン草、海藻に含まれるカロテノイド
- 野菜・果物・海藻は、毎日の食事でぜひ摂りたい栄養素です。
総合栄養食を主食にしているワンちゃん、猫ちゃん、手作り食でも食の細い子でしたら、7歳ころから、サミー(SAMe)を積極的にとることで、
活性酸素へ対応し体全体の健康をサポートします。
※不飽和脂肪酸とは……青魚やオリーブオイルなどに多く含まれ、悪玉(LDL)コレステロールの抑制や過酸化脂質の発生を予防する効果があるといわれている、「健康に良い油」です。
【参考書籍】
- 嵯峨井勝,活性酸素から身体をまもる,22世紀アート編集部,2019
【参考文献】
- 中村成夫,活性酸素と抗酸化物質の化学,日医大医会誌,2013,9(3)