犬を新しく迎えたときには、狂犬病の予防注射を打つ必要があります。 飼い主さんには法律で年一回の接種が義務付けられていますが、よくわからないまま受けていませんか? うっかり忘れてそのままになっていたり、病気の犬はどうすればいいのか知らなくてモヤモヤしたり。 慌てないように、勉強しておきましょう。
犬の予防には、
…などたくさんありますが、唯一
「狂犬病予防接種」は必ず受けないといけないもの
飼い主さんには法律で年一回の接種が義務付けられています。
狂犬病は、狂犬病ウイルスを持っている犬が他の動物を噛むことで唾液を通して感染します。 狂犬病の感受性動物(感染しうる動物)は、人を含むすべての哺乳類です。 人への感染は主に犬からですが、感染動物すべてから感染する可能性があります。
症状として、初期には発熱や頭痛など風邪のような症状がみられますが、進行すると意識障害や幻覚などの神経症状を生じます。 有名な症状として「恐水症(きょうすいしょう)」というのがあり、喉の筋肉がけいれんを起こして、水が飲めなくなってしまうといったことも現れます。 上でもお伝えしましたが、狂犬病ウイルスはすべての哺乳類に感染するウイルスなので、当然人にもうつることがあります。
発症するとほぼ100%死に至ります ※通常は感染した人から別の人へとうつることはありません(臓器移植での感染例あり)
感染後、発症するまでは1~3か月程度といわれており(最長8年という報告もある)、発症前ならワクチンを複数回打つことで、発症を防ぐことができます。
2021年5月現在、狂犬病は日本にはない病気ですが、海外には普通にある病気です。
※1957年以降、日本での発生事例はありませんが、輸入感染事例としては2020年にフィリピンから帰国した日本人が発症したというのがあります
なぜ日本にはない病気なのに狂犬病ワクチンが義務なのかというと、
「外国では狂犬病は普通によくある病気」「毎年何万人も亡くなる怖い病気」
だからです。 日本への狂犬病の侵入リスクはゼロではないので、犬を飼っている人は責務として、「犬の登録」と「年1回の狂犬病の予防注射」は必ず受けるようにしましょう。 かかりつけの動物病院や、公園で行われる春の集合注射を利用して打つことができます。 ※コロナウイルスの影響で実施されない自治体もあります 予防接種の証明書(注射済証)と鑑札がもらえます。
日本においては犬のみ狂犬病の予防接種をしますが、猫も感染する可能性はあるため、海外に渡航する際には予防接種が必要な場合もあります
病気や何かしらの理由があって狂犬病予防注射が打てない場合には、必ず動物病院で「狂犬病予防注射の猶予書」をもらって、最寄りの役所に届け出る必要があります。 ワンちゃんに負担をかけないためにも、飼い主さんとして知っておいてくださいね。