愛犬が高齢や病気がきっかけで、寝たきりになってしまったら介護が必要になります。飼い主さんは便利なグッズを使ったり、周囲の人に助けを求めたりしながら寝たきりの愛犬の介護をしましょう。
介護で大切なのは「
無理をしないこと」と「
愛犬にポジティブで優しい言葉をかけること」。
今回は寝たきりになった愛犬の介護について、さらに2回に分けて解説します。
第一回は「寝たきりになった犬の基本のお世話」についてです。
動物病院を受診
まずは動物病院を受診しましょう。
愛犬が寝たきりになった原因を知っておくことはもちろん、健康状態をチェックするのは重要なことです。
超大型犬など連れて行くのが大変な場合は、往診してくれる獣医さんに相談してもいいでしょう。
認知症や不安が強くなる犬も
1日中、または夜になるとひたすら鳴き続ける、飼い主さんのことがわからなくなるなどが見られるようになったら
認知症になっているかもしれません。
抑揚のない単調な声で吠えるのが特徴です。
また認知症になっていなくても、今までできていたことができなくなる、五感が衰えるなどで不安感を覚えやすくなって吠えてしまうこともあります。
散歩や声掛けで刺激を与え、留守番時間をなるべく減らすようにしましょう。同じ部屋で寝るだけでも犬の不安が減ることがあるので試してみてください。
しかし犬が鳴き続けていると飼い主さんも参ってしまいますし、
ご近所トラブルの原因にもなりかねません。動物病院を受診して、お薬を処方してもらうことも視野にいれましょう。
ご近所には「老犬がいるため吠えてしまうかもしれません」ということを伝えておくだけでもトラブルも減らすことができます。
寝たきりの犬の食事のポイント
食事をしっかりとることは、寝たきりの犬にとって大変重要です。しかし高齢になると、
嗅覚が衰えることもあり食欲がなくなりがちです。さまざまな方法でフードを食べさせてみましょう。なかなか食べてくれないときは、動物病院を受診してくださいね。
◉ドライフードはふやかす
今まで好きだったフードを食べなくなり、
体重が急に減ることもあります。ドライフードは食べやすくなるようにふやかしてみてください。
少し温めるとフードの香りがたって、食欲が増すこともあります。お肉を茹でたスープ(味付けはしない)を使うのもいいでしょう。
◉ウェットフードは高カロリーなものを
ふやかす手間が大変な飼い主さんは、
ウェットフードにするのも手です。ただしドライフードの方が一般的にカロリーは高いので、高カロリーのウェットフードを選んでくださいね。わからないときは、獣医師に相談しましょう。
◉サプリメントも一緒に
栄養が補給できるサプリメントを与えるのもおすすめです。
サミーフィッシュのように
に良質なたんぱく質を多く含み、脳・関節・肝臓をサポートするサプリメントは特に老犬にぴったり。犬の好きな香りなので食欲も増す可能性があります。お薬を飲んでいる犬、療法食を食べている犬は、獣医師に相談してからのほうが安心です。
◉体を起こして与える
少しでも自分で食べられるよう、頭と体を起こしてあげましょう。お水を飲ませるときも同様です。横向きになったまま食べさせると、むせたり
誤嚥したりする危険があります。しかし片手で犬を支えるのは大変ですよね。
やわらかいクッションや枕などを、犬の胸の下あたりに差し入れて支えましょう。飼い主さんの両手が空いて、食べさせやすくなります。
- 自分で食事できなくなったら流動食
かむ力が衰えたり、自分で食事ができなくなったりした場合は流動食を与えます。ふやかしたドライフードやウェットフードをペースト状にするには、ミキサーやフードプロセッサーがあると便利です。ペースト状になったフードはシリンジ(針が付いていない大きな注射器のようなもの)に入れて、愛犬の口にフードを入れて食べさせます。
むせないように、飲み込んだのを確認してから少しずつ入れてあげましょう。
第二回は「寝たきりの犬のお手入れやリフレッシュについて」お伝えします。
※愛犬が寝たきりになったら介護が必要になります。しかしこれも愛犬と一緒に過ごす大切な時間。どうぞご自身も息を抜きながら、大切な愛犬に優しく声をかけながら介護をしていきましょう。わからないことや不安があったら、かかりつけの動物病院にこまめに相談してくださいね。
参考サイト
・「高齢犬ケアハンドブック」 DOGFAN編集部編 誠文堂新光社
・「療法食を中心とした改善事例から学ぶ 栄養管理ケーススタディ
Case3:食欲のない高齢犬に食事療法食を用いた一例」動物看護専門誌AS 2015年5月号
・高齢犬と楽しく暮らす―愛犬を元気で長生きさせるコツ 中畑 雅紀監修 成美堂出版
・筆者の介護経験(老犬3頭の介護)
犬の肝臓のサプリなら犬用サプリメントたからものSHOPのトップへ戻る