高齢のワンちゃんや猫ちゃんの食べ物が気になる飼い主は多い!
高齢のワンちゃんのアンケート調査では、
愛犬がシニアになってから飼い主自身が変わったこととしての第一位は「
フードやおやつなど愛犬が口にするものを気にするようになった」
※1です。
高齢のワンちゃん猫ちゃんでは、今まで食べていたフードも急に食べなくなってしまったということもよくあり、
食事に困っている飼い主さんは少なくないでしょう。
そんな中で、
食べることが少ないから「おやつ」を増やしている
という方もいるのではないでしょうか。
おやつを増やすのはNG。まずはフードを中心に栄養をしっかり取ろう!
高齢のワンちゃん猫ちゃんの栄養に関しては、動物病院で獣医師に従うのがベストです。
健康状態(病気など)に問題がない場合は、基本的に総合栄養食となるフードのみで十分な栄養が取れています。
時にフードを食べなくなってきたからと「おやつ」を多めにあげる飼い主さんもいますが、例外(死期が近く回復も見込まれないような状態などの場合)をのぞいてこの手法は避けるべきです。
理由は栄養が偏るなどの様々な点で挙げられますが、その中でも特に
塩分に注意したいです。
ワンちゃんや猫ちゃんも歳を取れば取るほど、腎臓の機能が衰えてきます。
実際に、猫ちゃんの慢性腎臓病(CKD)は10歳以上の猫の約30~40%に影響を与える可能性があります。※2
日本においても、ペット保険会社のアニコム社によるデータでは、年齢ごとの死亡原因として12歳以上の犬、猫のどちらにおいても慢性腎臓病を含む泌尿器による死亡が1位となっています。※3
さらには、歳をとって衰えてくる腎臓に対して、高塩分食を与えることで、さらに疾患が加速することがわかっています。※4
「歳をとってきたから、好きなものをあげたい。」という気持ちはわかりますが、その行為がワンちゃんや猫ちゃんの体をさらに老化させていっているのかもしれません。
フードを食べなくなってきた場合にはフードを工夫しよう
では、どうしてもフードを食べなくなってきた時の対処法です。
食べなくなってきた原因としては、もちろん病気からくることもあります。
まずは病気の否定からしなければならないので、今の健康状態が問題ないか動物病院で確認しましょう。
年取ったワンちゃん、猫ちゃんの食が細くなってきた理由としては下記があげられます。
■筋力の低下
食べる姿勢によっては、首から足にかけて踏ん張らないといけないこともあります。
段をあげてみるなどの工夫が大事になってきます。
■代謝、消化機能の低下
老化によって散歩などの運動の時間が減ってくると、必要なカロリーも少なくなり代謝や消化機能も低下してきます。
案外、食事の時間の間隔を変えると食べたりします。
■味覚や嗅覚の衰え
歳をとってくると味に疎くなり、より濃い味を好むものです。
フードを食べなければ、おやつが出てくるとわかっていれば、おやつを食べるためにフードを食べなかったりします。
■歯や歯茎の衰え
口内炎や歯周病など、口腔内の問題から硬いものを避けるようになります。
病気の場合は、全身疾患へと関わる場合もあるので一度獣医師の指示を仰ぎましょう。
フードとしての工夫
ドライフードにウェットフードを混ぜるなどの工夫が必要です。
まずはごはんを置く高さの工夫、あげる時間の工夫をしてから、その後にフードを変えるなど、嗜好性を考えた方法で工夫してみましょう。
※嗜好性とは、食事を美味しく感じること、またそれぞれの好みのことをいいます。
嗜好性の影響に高い順で、まずは温めてみよう!
犬や猫の嗜好性に影響する要素は大きく3つあります。
※5
犬猫の食事を好む順番は、
となります。
食いつきに関してのほどんどは、
❶におい、
❷大きさや形、
❸食感で決まります。
好んで食べ続けるかどうかは
❶〜❸を満たした上で、味が関わってきます。
よく他のサイトでも、フードを温めてにおいを強め、水にふやかして食べやすくするのがおすすめされていますよね。
これらの手法は、①〜③を満たす部分になってくるのです。
やっぱり食べないって時は、美味しいってことに気づかせよう!
温めたりふやかしたり、工夫してみたけど全然見向きもしないということもあるかと思います。
また、
一度は食べたけど、その後食べ続けなくなったということもあるでしょう。
そんな時に考えて欲しい方法が、味を美味しくした上で、
美味しいことを気づかせるという方法です。
犬や猫の味の感じ方には人とは違う部分があるのですが、一番好むとなるとアミノ酸などに含まれる甘味・旨味成分です。グルタミン酸などの旨味成分を含む好む味を追加した上で、一口食べさせてみましょう。
食べさせ方
- ほんの少し(小指の爪ほど)フードを手に取り、ワンちゃんや猫ちゃんの鼻下あたりに付着させる
わざと、舐めさせるように仕向けます。
- ほんの少しフードを手に取り、口を開けさせ上顎にフードを付着させる
こちらのやり方は、かなり噛まれる危険性を伴います。嫌がるようであれば、他の方法を試してみてください。
グルタミン酸などの旨味成分
が含まれる場合は、他が同じ条件であった場合に嗜好性が高くなる成分となります。
※6
このフードは美味しいということがわかれば、見向きもしなかったフードを食べ出すこともあります。
ぜひやってみてください。
まとめ)高齢だからこそ、栄養を十分に美味しいごはんをあげよう
長年連れ添ったワンちゃんや猫ちゃんで、ごはんを段々と食べなくなってくると心配になる飼い主さんは多いでしょう。
ついつい何も食べないよりは・・・と、大好きなおやつを多めにあげる飼い主さんもよく見かけます。
しかしながら、
おやつに含まれる塩分を始めとして偏った成分は、ワンちゃんや猫ちゃんの体がますます衰えていくことになります。
まずは、フードを食べることを最優先して、嗜好性の高めたごはんをあげる工夫をしてみましょう!
一緒に暮らす時間は限られています。
美味しく、栄養のあるごはんをあげて、一緒に暮らす時間を十分に過ごしましょう。