童謡『雪』の一節 「犬は喜び庭かけまわり、猫はこたつで丸くなる~♪」は冬になると思い出すフレーズですよね。 でも実際のところ、どうなのでしょうか?
まず、犬についてですが、外犬やモコモコの犬種(ダブルコートの犬種)などは、ワイワイ楽しく遊ぶ子も多くいます。 でも、全然かけまわらない…という子もまた多くいます。 室内飼いのチワワやトイプードルは、おっかなびっくりで、ぬき足さし足状態の場合も。 またどうしていいのか分からず、とりあえず雪を食べる!って子もいます。
猫についても、丸くはならない!ということが多いです。 なぜなら、猫が丸くなって寝るときは、寒いときや身を守るときです。 こたつの中のような、暖かくかつ狭くて暗い空間では、安心しきって伸びて寝ていることが多いです。
実際どうなのか?というのはありますが、童謡のワンシーンは日本人の冬のイメージとして定着し、ほっこりしてしまいますよね。
人は寒いときに洋服を着たり、暖房をつけたり、自分で調整ができます。 でも、ワンちゃんネコちゃんはできないですよね。 そのため、寒いときのサインを見逃さないように注意してあげる必要があります。 寒いときのサインは、
などがあります。 また、人や同居動物にぴったりくっついてきて、暖をとっていることも多いです。 猫をたくさん飼っている家庭では、『猫団子』という猫がくっついて寝ている光景を、冬場はよく見ると思います。 これらのサインが見られる場合には、そっと暖房をつけてあげましょうね。
ダブルコートとシングルコートという言葉を聞いたことがありますか? ダブルとシングルはその名の通り、被毛がダブル(二重)になっているかそうではないか(一重:シングル)を表しています。 ダブルコートの犬種は、
などがあり、短くふわふわの下毛(アンダーコート)と長い上毛(オーバーコート)よりなります。
冬場はもっこりしていますが、夏場は下毛が薄くなることで温度調整をしています。 毛が抜ける(換毛期があること)ことがダブルコートの特徴です。 一方で、シングルコートの代表犬種は、
です。 シングルコートの犬種は、オーバーコートしかないことが特徴です。 毛がほとんど抜けずに伸び続けるため、シングルコートの犬はトリミングで被毛のカットを定期的にしてあげる必要があります。 ネコちゃんにおいても、ダブルコートとシングルコートがありますが、日本猫(雑種)のほとんどがダブルコートと言われています。 他にも、ノルウェージャンフォレストキャットやペルシャ、アメリカンショートヘアなどがダブルコートの猫種です。 シングルコートの猫種は、
などが代表です。
ダブルコートの犬種は、寒い時期になるとアンダーコートの毛が増えるので、モコモコで寒さ対策が可能です。 寒い地方が原産の犬種においては、よりフワフワになるため、比較的寒さに強い傾向にあります。 一方で、暖かい地域原産の犬種やシングルコートの子は寒さに弱いといった特徴があります。 また、体が小さい犬種の方が、体重に比べて体表面積が大きくなるため、体温を外気に奪われてしまいます。 それゆえ、小型犬の方が寒さには弱い傾向にあります。 寒さに強い犬種と言えば、
などがあげられます。 体が大きく、フワフワな被毛を持つ子たちが多いですね。 一方で、寒さに弱い子たちは、一般的に室内でよく飼われている犬種で、
などがあります。 チワワやイタリアングレーハウンドは、見るからに寒さに弱そうですよね。 お散歩に行くときなどは、洋服を着せてあげたり、暖かい時間帯を選んでしてあげるといいですね。
ただし、個体差や生活環境もあるので、寒い仕草を見せている場合には、暖かい室内に入れてぬくぬくさせてあげましょう。
ネコちゃんは外で暮らしている子も多く、雪が降っているときもトコトコ歩いていたりしますよね。 ただ、本当に寒いときには、軒下や車の下、北国では酪農家さんや農家さん家に何匹も集合している光景があります。 猫においても、ダブルコートを持つ猫種の方が比較的寒さには強い傾向にあります。 また、体の大きな猫種で、被毛が長い(長毛種)の方が、より寒い環境に耐えることができます。 それゆえ、
といった猫種が寒さには強いです。 メインクーンは大きく、ふわふわな長毛猫ですが、シングルコートのため、意外と寒さには弱い!?のかもしれません。 シングルコートのネコちゃんや短毛ネコちゃんは、寒さにはあまり強くないため、しっかりと暖かい環境を用意してあげましょう。
冬場に素足で雪の上を歩いたら…考えただけで鳥肌が立ってしまいます。 でもワンコたちは、肉球を地面に着いて(しかも肉球だけ毛が生えていない!)、平気でお散歩をしているように見えますよね。 雪国でそりを引いている犬なんて、とても楽しそうに運動していますしね。 肉球の角質層は、他の皮膚より非常に厚く、外部の熱が伝わりにくい構造で、雪の上でもあまり冷たさは感じません。 また、肉球の裏を走っている静脈の血液は、そばを流れる動脈に乗っかり、すぐに血液を温め直す事が出来るんです。 肉球内部に『動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)』と『動脈周囲静脈ネットワーク』という特殊な血管構造を持っていることにあります。
動静脈吻合は人でもある血管システムです。▼ 通常、心臓から送り出された血流は、動脈の太い血管から末梢の毛細血管まで及び、静脈を通って心臓に戻っていくが、毛細血管に枝分かれする前の動脈と、静脈とを直接つなぐやや太い血管がAVA。 AVAは、皮膚では手足の末端、顔の一部だけに存在する特殊な血管。 引用:ヘルスUP日経Gooday 30+
肉球が冷たい環境にさらされると、動静脈吻合によって、末梢への血流を減少させることで体の熱が外に逃げないようにしています。
犬の足先においては、動脈の周りを静脈が網目のように巻き付いており(動脈周囲静脈ネットワーク)、足先で冷えた血液を心臓まで運ぶ静脈が、温かい動脈血管の周りにあることで、血液の温度調節が可能となります。 (肉球に行くまでの動脈血をあらかじめ冷やしておくことで、熱が外気に奪われないようにする。肉球から心臓へと帰ってくる血液をあらかじめ温めておくことで、心臓への負荷をとる。) そのため、冷たい雪の上に肉球をつけていても、ほとんど熱が奪われないシステムになっているのですね。
また、雪が苦手な子もいるので、愛犬の様子をよくチェックし、長時間外にいるのはお勧めしません。 よっぽど慣れているこなら心配いらないのですが、肉球にしもやけが出来てしまう事もありますよ。 最近では、靴や靴下をはいて散歩をしている子もよく見かけますね。 しっかり寒さ対策をしてあげることも大切で、お散歩から帰ってきたら、ぬるめのお湯を飲ませてあげるのもいいですね。