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知っ得!情報
2024/03/27

「酵素」でつくろう!薬いらずのカラダ

酵素とは

体内の酵素の働きについて理解しよう

体内には、消化酵素と代謝酵素があります。消化酵素は、食べ物に含まれる栄養素を細かく切るハサミのイメージです。消化酵素が細かく分解してくれるおかげで、栄養が体に吸収されるようになります。一方、代謝酵素は体内に吸収した栄養素を活かして、エネルギーや肌や筋肉などの細胞を新しくしたり、私たちの活力を与えます。


私たちの体は、食べ物を摂取する→消化酵素が働く→栄養が吸収される→代謝酵素が働くことで新陳代謝される→不要なものを排泄→お腹がすくので食べ物を食べるというサイクルで動いています。

体内酵素の働きは、消化と代謝のバランス

体内の酵素は消化と代謝の2つあり、まず食べ物を消化するために酵素が働きます。そのため消化酵素が使われてしまうと、代謝にまわる酵素が少なくなり、「疲れ」「肌の艶が減る」「便秘」など、代謝がうまくいかないことでの不調が出てきます。 加齢によって酵素自体の量が下がっていると、消化に多くの酵素が使われてしまうので、日々の活力が不足していき、余計に体のエネルギーを無駄に使ってしまいます。

酵素を作り出すのは限りがあり、年齢とともに減ってくる

人では20歳をピークに、酵素は年々減少します。40歳では20代の半分まで減少するとも言われており、犬も高齢になると消化不良、疲労感など、酵素不足が考えられる要素が多く見られます。 もし年を取っても酵素が体の中に十分にあり、消化酵素と代謝酵素のバランスがうまく使われていれば、年齢を重ねても不調が見られない場合があります。ただし、酵素は年齢とともに減ってくるので、「外から酵素を入れる」ことが必要になります。

外から取り入れる食物酵素の食品は、微生物が作る酵素の働きを活かした「発酵食品」

体内で作られる酵素には限界があるので、「酵素を補う」という考え方があります。酵素自体を摂取するのではなく、野菜などの「発酵食品」と言われる食物を食べることで得られます。

発酵食品とは、微生物(乳酸菌、麹菌、酵母など)の働きによって食物が変化し、体にとって有益に作用した食品のことです。微生物が食物を分解するときに「酵素」を産生することを「発酵」と呼びます。 発酵食品の役割は、どの発酵食品をとるかで変わりますが、「体内消化の効率UP」「腸内細菌を整える」「代謝UP」「活性酸素の除去」などがあります。


体内消化UP:発酵食品を微生物が分解してくれるため、「デンプン」や「タンパク質」を体内消化が消化するのを、微生物が一緒に分解してくれるため、消化効率が高くなります。


代謝UP:体内消化が効率UPすれば代謝がUPします。それだけでなくビタミンB群が含まれる発酵食品を取り入れることで、代謝がより促進されます。

食べ物から「酵素」をとることで、消化の分解を助ける例

イメージは、さんまの塩焼きに添えてある大根おろしをいっしょに食べることです。さんまの油っぽさを体内で消化するときに大根おろしに含まれる酵素が消化を助けてくれるので、体内の消化酵素を余計に消費しません。大根おろしを一緒に食べていく日本食スタイルは、先人の知恵ですね。

一般的なドッグフードには、食物酵素は含まれない

酵素は熱にとても弱いため、ドッグフードの製造工程で分解してしまっていることが多く、どんなドッグフードを食べたとしても食物酵素を補うことは難しいです。食物酵素を取り入れるためには、「生」の状態でどれだけ取り入れるかが大事になってきます。

シニア期の「食が細い」に悩む飼い主さんは多い

シニア期は、体の病気だけでなく普段の生活スタイルも少しずつ変化してきます。若い頃は大好きだった食事が「食事を摂る時間が短くなった」「1回に多くを食べられなくなった」「食の好みが変わった」など、シニア期に食のことで悩まれる飼い主さんは多く見られます。 また、もう残りわずかの命である最後に「最後に大好きなものを食べてほしい」「もう一度ご飯を食べる姿をみたい」と思われるケースもあります。そんなシニア期の食の悩みは、もしかしたら「体内の酵素」がうまく働いていないからかもしれません。食事の時に少しでも「外から酵素」を取り入れることで、活力の助けとなり得ます。

酵素の取り方のポイント

  • 継続して取り入れること
  • 温めず、生の状態で取りいれること
  • さまざまな酵素の働き方があるので、たくさんの発酵食品を取り入れること
  • 体は、暖かい状態を保つこと(微生物の発酵の働きの助けとなります)
  • 可能であれば、ドッグフードなどと一緒に摂ること

外から取り入れた酵素が働くには、温度を変化せずにそのまま取り入れることが重要となります。高齢期はフードを温めて与える方が多いと思いますが、酵素は温めずにそのまま取り入れるようにしましょう。体温は微生物が働きやすいように暖かく保つことが大切です。

《酵素が含まれる薬剤成分例》
  • パンクレアチン
  • リパクレオン
  • ベリチーム
  • エクセラーゼ

こんなところにも酵素は働く

注射や薬の薬剤も代謝酵素が働いて、薬剤の代謝や排泄します。代謝酵素がうまくいかない子は、血中に薬剤が残るため「副作用」が出やすい場合もあります。 一方で、代謝酵素がうまく回りすぎると薬剤の効果が出る前に、薬剤が代謝されてしまうことがあります。バランスよく、代謝をコントロールすることが大事です。高齢期の薬剤投与は、副作用や薬剤投与で少しきつそうな子が多く、獣医師も薬剤投与をどれだけ入れるのか悩みます。もちろん、酵素の摂りすぎで薬剤の効果を得られないのは良くありませんが、正常に薬剤が代謝されるように助けてあげられると安心です。

また、薬剤の中には、酵素を含む薬品もあります。薬を入れている方は、その成分が含まれているのかどうかで、追加で酵素を取り入れるべきではないことがあるので、注意しましょう!

監修 渡邊遥 医師