鹿肉は低カロリーで高タンパク質、また栄養価も高いことから、今着目されている食材です。
ジビエ料理として振舞われる機会が多くなった一方で、その多数が廃棄処分されているという現実があります。
そのためペット業界においても、フードやおやつとしての利用がすすめられ、今後ますますの商品開発が期待されています。
この記事では、そんな栄養満点の鹿肉についてメリットとデメリットを解説しています。
今話題の健康食材「鹿肉」を食生活に取り入れ、大切なペットと健康的に過ごしたい方は是非読んでみてください。
鹿肉は良質なタンパク質源として、積極的に食生活に取り入れたい食材です。
鹿肉のメリットには、
の4つがあります。
以下で分けて説明していきます。
現在では、食物アレルギーに悩む犬や猫が多く存在しています。
食物アレルギーは、下痢や嘔吐などの消化器症状や痒みなどの皮膚炎を引き起こし、生活の質を著しく下げてしまいます。
ただし、この食物アレルギーについては、「初めて食べた食材に対しては起こらない」といった特徴があります。
鹿肉は「新奇タンパク質」と言われ、牛肉や豚肉などの世に出回っているようなタンパク質源とは違って、新奇(目新しい、物珍しい)のタンパク質源であるがゆえ、アレルギー源とはなりにくいと考えられています。
現在でも鹿肉を用いているペットフードやおやつ、サプリメントは市場にあまり出回っていないため、鹿肉を取り入れた製品は食物アレルギーで悩んでいる犬や猫において、非常に有益なタンパク質源となります。
鹿肉と言えば、低脂肪で高タンパク質、低カロリーなのが特徴の肉類です。
ある調査によると、鹿肉のタンパク質の割合は21.9~22.6%、脂質は1.2~3.1%とタンパク質は牛肉や豚肉の1.5~2.0倍、脂質は80分の1程度と報告されています。
また、鹿肉のコレステロール含量は100gあたり31.85~35.15mg(部位による差はなし)、牛肉ロースでは39.20~72.75mgであったとのことで、コレステロール含量が低いのも特徴です。
そのほか鹿肉には、
などが豊富なので、健康にいい肉類として今着目されています。
さらに、鹿肉中にはオメガ3脂肪酸など不飽和脂肪酸の割合が牛肉に比べると非常に高いといった特徴もあります。
オメガ3脂肪酸は、
など様々な効能があり、積極的に生活に取り入れていきたい栄養素です。
牛肉や豚肉は、育成の過程で抗生物質やホルモン剤、ワクチンなどを注射することが非常に多いです。
それら化学物質が生体内に残留する期間は出荷ができないという規制はありますが、全く使用していないという個体はおらず、その安全性には若干の不安が残ります。
一方で鹿肉などの野生動物は、生育の過程でそれら化学物質に暴露される(汚染される)機会はほぼなく、化学物質フリーであることがほとんどです。
化学物質が入っていない肉類を摂取することは、化学物質の過敏症である場合や健康に気遣う上で非常に大切なことと言えます。
昨今では増えすぎてしまった野生鳥獣による農地や民家への被害が多く報告されています。
それに伴い、野生鳥獣などは定期的に捕獲・駆除されていますが、そのほとんどが廃棄されているのが現状です。
食品ロスへの考えから、捕獲・駆除された鹿肉や鳥肉などは、ジビエ料理として提供されることが多くなってきましたが、それでもまだほとんどが処分されています。
ただ、野生動物の命をもっと大切にすべきだという見直しもあり、それらを用いた食品の開発や販売が活性化するような活動も増えてきております。
ペットフードへの鹿肉の利用もその一つで、有効活用することで食品ロスへの貢献をすることも可能となります。
また野生鳥獣の駆除は、間接的に森林の野山の環境保全、生態系の維持にも役立つため、環境を守るうえで重要な取り組みの一つとなっています。
たくさんのメリットがある一方で、鹿肉にはデメリットもあります。
その一つに「獣臭がする」ということが挙げられます。
ただこれは、血抜きとその後の処理を適切に行うことで対応でき、また犬や猫などペットにおいてはジビエ特有の風味がむしろ嗜好性をあげる可能性もあります。
鹿肉は、牛肉や豚肉などと違って簡単に手に入る食材ではないので、なんとなく調理が難しそう…と敬遠される食材でもあります。
ただ、調理法自体は他の肉類とさして変わらず、煮込み料理などで簡単に調理することが可能です。
また、すでに加工されている食品なら、調理の心配もいらず安心して使用できそうですね。
鹿肉は、低脂質で高タンパク質なヘルシー食材です。
鹿肉を食べるメリットとして、
などがあり、健康的な生活を送るうえて是非取り入れたい食材です。
現在では、犬や猫などのペットにおいても寿命が延びています。
健康寿命を延ばすよう、食生活にメリットいっぱいな鹿肉を摂り入れ、日々の栄養管理に努めていきましょう。