竹には、真竹や孟宗竹、淡竹など様々な種類があります。
私たち日本人と竹のかかわりの歴史は古く、建築資材や農業・漁業の道具として縄文時代より利用してきました。
孟宗竹とは、日本の竹類の中で最大の大きさを持つ中国原産の竹です。
孟宗竹という名前は、ある寒い雪の日に、年老いた母親のために竹を堀りに行った孟宗という人物にちなんで付けられました。
日本三大有用竹(孟宗竹、真竹、淡竹)の一つで、観賞用の竹の代表種でもあります。
材質は弾力性がないため、建築や農漁業用資材として主に利用されています。
かごや竹細工などの柔軟性が必要な素材としては使用しづらいといった特徴があります。
一般的にタケノコと言えば孟宗竹のタケノコであることが多いです。
直径は10~15cmくらいと太く、茶色の皮には細やかな産毛があります。
孟宗竹のタケノコは大型肉質で柔らかく、えぐみが少ないために主に食用として古くから利用されています。
主な産地は、九州や四国、関西地方などで、東北地方でも栽培されますが、孟宗竹は寒冷地では育ちにくいので収穫量は少ないです。
孟宗竹には多くの有用成分が含まれています。
孟宗竹に多く含まれる無機成分には、
また、各種アミノ酸やビタミンB群、フラボノイドなどの生理活性物質、キシロオリゴ糖といった様々な有用成分も含まれているため、
孟宗竹粉はハチの巣のような構造をとり、その空間一つ一つに乳酸菌が多数付着しているという特徴があります。
この粉末を密封して空気がない状態(嫌気状態)にし、自然発酵させると乳酸菌がさらに増殖することが分かっています。
乳酸菌によって産生された乳酸によってpHが低下することで、大腸菌などの腐敗菌の増殖を抑制し、腸内環境を整えることが可能です。
保存や利便性から死滅した乳酸菌を使用することも多いですが、乳酸菌の生存の有無にかかわらず、その効果があることが分かっています。
日本国内の竹林は放任傾向にあるがゆえ、竹の有効利用や里山の健全化が求められています。
タケノコとしての流通に加え、上記で記した通りメンマとして利用する取り組みも地域住民によって行われています。
最近では、メンマ製造を開始したベンチャー企業も出てきています。
大きくなった竹は硬くて食べられないイメージがありますが、特殊な製法で細かく粉砕すれば食用として利用できます。
食用として孟宗竹を使用するメリットとして、
バイオマス燃料とは、木材や枯葉などから作られる生物由来の再生可能なエネルギー源のことです。
竹もこのバイオマス燃料として利用される取り組みが進められています。
ただ、竹においては塩素濃度が高く、耐火物や伝熱管を腐食させやすいといったことや、炉内にクリンカという塊を生成して燃焼炉を傷めやすいといった特性があるので、特殊な燃焼炉が必要です。
山口県においては企業とタイアップし、竹専用バイオマス発電所の建設をすすめています。
また、パルプ(木材から分離した紙を作るための原料)としても竹は利用されていますが、竹林が小規模分散しているため伐採や搬出の効率が悪いことや材質が空洞で硬いこともあり、今まではあまり有効利用できていませんでした。
こちらについてはタケノコの主要産地である鹿児島県において、竹材のパルプ化に向けた取り組みが行われ、竹100%の紙の生産技術を確立しました。
利用においてはやや難点がつきまとう竹ではありますが、竹林の有効利用のために支援に取り組む企業や県を応援していきたいものです。
竹にはまた、和モダンな香りとしての癒し効果もあります。
竹の葉や幹に含まれる成分を利用した精油(アロマ)も市場には多くあります。
消臭効果もあるので、多くの方が癒しや空気の浄化のために竹を使用しています。
竹は農漁業や建築用資材、竹かごなどの日用品として日本人の生活に広く利用されていました。
しかし、プラスチックや鉄などの代替品や輸入品などにより、国産竹の需要が大幅に減少しました。
その結果として、放置される竹林は増加の一途をたどり、その有効利用が急がれています。
日本国内に多く生育する竹の一種である孟宗竹の竹粉には、
また、食用として孟宗竹を利用することができるのは人間のみならず、犬や猫などのペットにおいても有用と考えられています。
フードやサプリメントに竹粉を加えることで、ペットの健康寿命を延ばすことが期待されています。
竹粉に含まれるたくさんのパワーを利用してみるのはいかがでしょうか。