愛犬と愛猫の肝臓の話
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- 1. 肝臓のSOS
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- 3. 肝機能を改善する薬「ウルソ」
1. 肝臓のSOS
愛犬の血液検査で知ることのできる肝機能値は、
- 「ALT(GPT)」・「AST(GOT)」・「γ-GTP」・「ALP」
などがあり、これらは肝臓の負担を表す数値です。
肝臓の細胞は、毎日壊れて、毎日再生しているので、壊れた細胞から漏れ出すこれらの数値はゼロになることはありません。
しかし、これらの数値が上がっている時、肝臓は『疲れて休みたい!』とSOSを出しています。
肝臓
肝臓は、体の中の最も大きな臓器で、食べ物からエネルギーを取り出し貯蔵し、体に入った有害物質や老廃物を排泄するという、生命活動のすべてにかかわる働きを数多く担っています。
有害物質にさらされながらも常に働き続けるこのタフな臓器は、痛みを感じる神経がなく、自己再生能力も持ち合わせているため、多少のダメージにはその気配さえ見せない「沈黙の臓器」です。
そのため、自覚症状が出始めた時には、障害の程度が非常に進んでいることが多いのも事実。

肝機能も加齢に伴い衰えます。
愛犬の血液検査で初期のSOSが見つかったら、病院で薬をもらったからこれで大丈夫と思わないで、食事や生活を見直してあげてください。加齢以外ではこんな原因が・・・
食事内容、食事に含まれる添加物、漫然と続けている薬やサプリメント、などなど


環境の変化、環境の悪化、嫌なことの強要、欲求不満、などなど


肝臓は、自力で再生する能力を持つとても強い臓器です。
肝臓の数値が上がったら、まずはこの再生能力を最大限に引き出すために、肝臓へのダメージ原因を減らすことが先決なのです!
「ALT(GPT)」・「AST(GOT)」
どちらもタンパク質を分解して体の重要な構成成分であるアミノ酸をつくり出す酵素です。
肝臓の細胞(肝細胞)に多く含まれており、肝細胞が壊れた時に血液に出てきます。
ALT(GPT)とAST(GOT)(特にALT)は他の臓器にあまり含まれていないため、この数値が高さは、肝障害(肝細胞の破壊)や肝臓の中で起きている炎症の激しさ(活動性)の指標とされます。
特に肝臓に多く含まれ、肝細胞の変性や壊死に敏感に反応します。
急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝などの肝疾患の指標とされます。
特に肝臓と心筋、骨格筋、腎臓の細胞に多く含まれます。
肝臓の病気に加えて心筋梗塞や筋肉の広範囲な障害などの病気で高くなることがあります。
AST(GOT)の上昇が強く、ALT(GPT)の上昇が軽度のときは、心筋や骨格筋の障害が疑われます。
※近年、GOTはAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、GPTはALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)という名称に変更されつつあります。
「γ-GTP」「ALP」
「胆道系酵素」とよばれ,胆汁の流れが妨げられると血液中で増加します。
肝臓や胆道の病気があると、「ALT(GPT)」・「AST(GOT)」などよりも早く異常値を示す特徴があります。
肝臓の解毒作用に関係している酵素で、肝臓や胆管の細胞がこわれると血液の中に出てきます。
肝臓に毒性のある薬剤などを慢性的に取り続けた場合や、脂肪肝、胆道に結石や腫瘍ができたりして、胆汁が流れにくくなったときに血中濃度が高まります。(人の場合は、アルコール性肝障害で高くなりやすいです。)